12月14日

・今日朝起きたら真っ暗で夜中に目が覚めたのかと思ったら6時半だった。あんな暗いんだ。

・『響け!ユーフォニアム』の5話〜8話をDVDで観た。どういうことが起こって、あの京アニからこんな作品が出てきたのか気になる。いままでの京アニだったら、黄前久美子のような地味かつ複雑なキャラを主人公にはしなかったと思う。ハルヒや「中二病」の小鳥遊立花、『境界の彼方』の栗山未来のようなベタな萌え要素や分かりやすいトラウマを久美子はもたない(一応、あるにはあるけど)。たぶん、物語が紋切り型なぶん、いままでのようなヒロインだったら作品は弛緩しきったものになってしまっていたはず(それこそ、『けいおん!』のような)。この作品は久美子やあすか先輩のような複雑なキャラや関係性と、コンクール金賞という単純な物語のコントラストがすごくきれいで、逆に言えば、もしかしたら用意された単純な物語を作品として昇華しようとするときに自然と(必然的に)生まれてきたキャラたちなのかもしれないと思った。一期の時点で、あすか先輩なんかはかなり面白くて、音楽一筋の天才肌でいて、周りとのたわいない話(恋バナとか)とかもそつなくこなして、周囲の人間と衝突するどころか部内の人間関係の潤滑油になっていたりするが、時おり音楽一筋で周りの人間に対してドライな一面がふと顔を出す、というような塩梅になっている。たしかに、リアルだとこういう人は意外といたりするけど、紋切り型的にはこういうキャラは周りの人間とはギクシャクするのが普通だろう。そして、その紋切り型をこの作品のなかで引き受けてるのが麗奈と言える。一期の面白いところは久美子という複雑なキャラと麗奈という紋切り型のキャラの接触による化学反応みたいなところにもあると思う。麗奈は自分が特別になりたいと思うと同時に、その思いがあまりにも「普通」であるとどこかで気づいているからこそ、久美子のような屈折を抱えた人物に惹かれてしまうのだとも言えるだろう。