11月9日(柴崎友香『ドリーマーズ』)

『ドリーマーズ』(柴崎友香)を読み返していた。前回読んだときの何倍も面白くて、いままで読んだ小説のなかで最もおもしろかったかもしれないと思った。まったく、過去の自分の読みや感覚が信用できないことの再確認にもなってしまったわけだけれど、そんなショックも軽く吹き飛んでしまうくらいこの小説が素晴らしかった。ぼくもこんな作品を作りたいと心から思ったし、自分にとって大事な作品であり続けるのだと思う。これらの連作を読み返すと、一つ一つの短編がそれ自体で緻密に構成されているのと同時に、それぞれの作品同士で必然性をもって(つまり一つ一つの作品が『ドリーマーズ』という短編集のなかで替えの利かないものとなって)結びついているのが感じられた。

それで、詳しく感想を書こうと思っていたのだけど、書く前に古谷利裕さんの『ドリーマーズ』論を読んでしまって、この批評が本当に素晴らしかったために、もはや自分で何かを書く気がなくなってしまった(リンクを下に貼っておく)。

 

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久しぶりに作品(とその批評)に心から打たれた感覚があって、やはり重要なのはこれなのだと思った。たくさんの作品を消費するのではなく、たった一つでもいいから作品を浴びて、作品に捕らえられること。そこに留まって思考することをおろそかにしてはいけないのだ。

 

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