6月8日

 数日前から完全に季節が変わった。もう少し前までは、寒かったときの記憶が水たまりのように残っていた気がする、ということに今日気づいた。めちゃくちゃ暑くて、身体と環境の関係が一新された感じが強くあった。汗がすごく出る。
 読んでいるブログのなかで、毎日更新される日記が自分のもの以外にも二つある。他の二つは二〇二一年六月八日の日記がすでに更新されている。いつもこの日記が最後だ。同じゲームに参加しているような、あるいは共同でなにかを作っているような気分にさえなって、気づかれないところで支えられている。

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6月7日

 紫陽花といえば六月。歩いてると紫陽花を見かけるようになった。「六月」と打つと、雨と蝸牛の絵文字が表示される。今年の六月はまだどちらも見ていない。
 授業後、大学のベンチでパンを食べた。雀がいつも寄ってくる。ひとかけらベンチに置いておくと、持っていって向こうで食べた。雀のたべのこしに蟻が寄ってきた。
 今日もまた川にいた。なぜ鳩と虫はこっちに寄ってくるのか。こいつらの養分にはなりたくない。蚊が怖い。もしかするともう蚊がいるかもしれないと思うだけで、身体のあちこちが痒くなってきた。

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6月6日

 UFOは落っこちなかった。
 夜になりきる前、空はだんだん深い青色になっていって、川沿いを散歩した。カエルや虫の鳴き声、車の走る音、犬の足音に水が流れる音がした。風は蒸し暑くも冷たくもなく、ちょうど良かった。川がいろんな光を反射してきらきらと輝いている。この季節のこの時間に散歩するのは気持ちがいい。でもそんないい季節ももうすぐ終わる。蚊が出るようになったら一巻の終わりだ。北へ向かって歩いて、大きな橋の下を潜った。徐々に川は光らなくなり、鹿が出てき始める。すぐ隣を走るバスが誰もいないバス停を通過していった。カープミラーが三十度くらい傾いている。

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6月5日

 昼から何件かカフェをはしごして本を読んだ。夕方、眠くなってきて川沿いで体操座りをして寝た。
シルバニアファミリーに出てきそうな小さなうさぎがリードをつけて散歩していた。うさぎが立ち止まっていると、その上空を何匹も鳶が飛び回り始めて、連れ去られてしまうんじゃないかとひやひやした。うさぎは草むらの中に隠れた。
 帰り、空が藍色になり、雲は黄色く光った。堤防の下の土手に鹿が降りて食事をしていた。

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6月4日

 夜、友だちとピザを食べてアニメを見た。寝て、朝、友だちが帰ってから洗い物や片付けをしたら授業の時間で終わったらお腹が空いた、から、パックのご飯に納豆とめかぶと海苔を乗せて食べた。ラクで美味しくてお腹いっぱいにもなるから好き。外では激しめの雨が降っていた。また天気のせいなのか、昼間からずっと眠くて、数十分おきに寝たり起きたりを繰り返した。何回めかに起きたとき、もう別の友だちとゲームする約束の時間だったから急いで晩御飯を食べた。
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6月3日

 友だちと街に出た。向こうの携帯が壊れたかなんかで待ち合わせにずいぶん苦労した。マックで読みかけの本を開いて待った。何時間か遅れてきた友だちにセットのポテトをあげた。塩辛くてしなしなだった。雨が降りそうになっていた。
 古着屋をまわった。一軒目でかわいいTシャツを二枚見つけて、試着したらどっちも欲しくなって、買った。二軒目では黄色と橙色のシャツを試着した。店員さんが黄色の方が良いと言ってくれたのでそれを買った。お金のことは知らない。

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6月2日

 朝、歯ブラシを口に咥えた状態で寝てたというより気を失っていた。窓がわずかに空いていて暑いような涼しいような感じがした。昨日の夜、寝転んだ状態から立ち上がって、口に含んでいる唾液と歯磨き粉を洗面所で吐き捨てさえすれば、ちゃんといつものように寝れたはずだった。風呂も入って髪も乾かして化粧水と乳液もして、ほんとにあと一歩のところだった。バイト終わりのことだった。乳液をしてるくらいから半分気を失ってた。朝七時くらいに目が覚めた。

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