8月18日

 起きた。今日、京都に戻る。朝、コーヒーとシリアル食べる。地元の映画館で『竜とそばかすの姫』を観た。冒頭の中村佳穂の歌とともに映されるスペクタルはすごく良かった、けど、そこがピークだったかな、という気もする。『美女と野獣』の本歌取りとか、色々な定型を詰め込むことで、物語全体がパッチワーク的で、それによる各要素の薄っぺらさが逆に面白かったりもした。
 夕方、電車に乗って京都に帰る。北側の窓に座った。曇っている。思えば実家で過ごした1週間はほとんど雨が降っていた。今は少し晴れてわずかに虹が見える。車窓の枠にデジカメを置いてしばらく眺めた。フレームの中に物体やイメージが出入りするという運動それ自体が面白いんだと思った。フレームのなかを高速で出入りするイメージを眺める、いわゆるテクノロジー化されたサイボーグ的視覚。際限なく流れては出て行く映像を、フレームの中に無理矢理押し込めて閉じ込めるのってどういうことなんだろうって思いながらたまにシャッターを切った。暗くなってくると、画面の右上あたりに車内の映像が滲んできた。
 家についてからベランダに出ると、前拾ったマリーゴールドに黄色い蕾がついていた。家にいないあいだにたくさん雨が降ってくれたのもよかったのかもしれない。

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