6月22日

 バイト帰りの遅い時間の電車だった。室内をぼんやり眺めていると、ふとここにいる人たちは全員、お互いなんの関係もない、徹底的にないんだって思った。実際、今日で会うのが最後の人もたくさんいるだろう。両隣にいる人が電車を降りて、向こうのホームに階段から何人か降りていくのが見えた。橙色の灯りが高速で過ぎていった。同じ時間に同じ空間で過ごしているのだから、少しは関係があってもいいのにと思った。この駅で降りて目の前に見えている町へ降りていく自分を想像した。

f:id:moko0908:20210623223523j:image
f:id:moko0908:20210623223518j:image