5月24日

 あるユカジール人が狩猟に出かけた際に地面の穴に落ちた。その男は「そこにはあらゆる型の家があった」と語った。「テント、木造の家、摩天楼。そこの人々は私を見たり、私の声を聞いたりすることができなかった。わたしだけが彼らを見て、彼らの声を聞くことができた」。
「わたしは地面の穴に落ちてしまい、望みは帰ることだけだと彼に説明した。彼は一切れの馬革を手に持ち、その上に座れと命じた。次の瞬間、わたしは馬に乗っていた。気がつくと、地面の穴のそばで横たわっていた。わたしはその穴を石で埋めて、誰もそこに落ちることがないようにしてから家に帰った。」

『ソウル・ハンターズ―シベリア・ユカギールのアニミズムの人類学』(レーン・ウィラースレフ)

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