2月15日

・「世紀の発見」(磯崎憲一郎)を読んだ。むむむ…難しい小説だと思った。一度通読してみたけど、なんというか掴みどころがない。個々の「不思議な」情景を読んでいるだけでもなんとなくおもしろいけど、それ以上の何かがこの小説にはありそうでなさそうでありそうな感じ。それぞれの魅力的な情景を支える地は①幼少期、②ナイジェリア(成人後)、③帰国後のアパート周辺の大きく三つに分けることが出来るけれど、これらを構成するさらに上位の構造がうまく定まらない。単純に本人が不特定多数の人間の回想として語るために三人称で語っていたと考えることもできるし、本文中にあるようにいなくなった友人Aへの語りかけなのかもしれないし、ほんとうに母親によって制御されていたのかもしれない。ひょっとしたら、「古墳公園」の看板が語り手だったという可能性もある。非現実的で不思議な光景がしばしば出てくるけれど、そこをどう考えるか。うーん…また今度読み返してみたい。

・Siraph/Annabel-Damp damp

https://youtu.be/92kATMIjlVs

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