1月9日

・年末に買った早稲田文学の2020年冬号(特集 価値の由来、表現を支えるもの-経済、教育、出版、労働…)をカフェで読んだ。昨日で読めたのは、大塚英志紅野謙介の対談と笠井康平の「文化芸術の経済統計枠組みはいかにしてテキスト品質評価指標体系の開発に役立つのか」の二つ。対談の方は小説における「私」についてや、近代の文学者たちがまさに「文」の「学」者として文体や形式を研究していたという話がされていて、最近その辺のことをちゃんと勉強したいと思っていたから面白く読めた。いぬのせなか座の笠井さんの文章は、「芸術」とか「文学」に関わる人たちがあまり突っ込んでやりたがらないような話をたくさんしている。「文化と経済の二項対立はとっくに過去のものである」。文章を読んで笠井さんの思想を情報として受け取るというだけではなくて、文章自体が雑多なものを含んでいて面白い。「テキスト品質評価体系」もパッと見た感じ、結構良さそうで、作家が自分の作品を客観視するのにもすごく重宝しそう。ぼくも作家や作品が訳のわからないまま崇められたりするのは面白くないと思うし、ああいう体系によってどの観点からどう面白いのかを共有可能な形で提示できるようになるのは良いことだと思った。

・初めて丸善の中にあるカフェに行った。コーヒーを頼んだら謎の容器で出てきて、どう飲めば良いのか分からなかった。あと川が半分くらい凍っていたらしい。

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