12月29日

・大学のレポートのために本を読んだあと、午後はひたすらアニメを観ていた。『響け!ユーフォニアム』の9〜13話と『中二病でも恋がしたい!戀』の1〜4話。京アニづくしだった。

・「ユーフォ」はだいぶ前に観た8話までも素晴らしかったけど、今日観たラスト5話はどの回もすごすぎて圧倒された。作品のなかにあまりにもたくさんのことが含まれているから、作品について言葉で語ろうとする努力をハナからへし折られてしまう。素晴らしい場面や展開が多すぎて、最後の5話がヤバすぎたとしか言えない。テレビでは放送されなかったOVAもとても素晴らしかった。本編の内容の一部を久美子ではなく葉月を中心に捉えたカメラによって語り直すかたちになっている。この作品がほかの番外編的な作品に見られるような弛緩したものにならずに、必然性を伴ったものになっているのは、そもそも「ユーフォ」自体が語られなかった余白にも充実した(それぞれの登場人物がそれぞれに生きている)世界が広がっていることを感じさせるからだと思う。たぶん、久美子や葉月以外の誰を主人公にとっても、この作品の世界に説得力を持ったかたちで組み込むことができる。それは「ユーフォ」という作品自体が持っている強さによって可能になる。葉月と中川が裏でああいう風にやり取りをしていたのを観ると感慨深いものがある。

・「中ニ病」の二期もかなりいい感じ。「ユーフォ」のギュウギュウに詰め込まれたキレキレの感じとは逆に、遊戯性の高い開かれた空間を描いている。一期では中ニ病の世界で激しい戦闘を行っていたのが主に立花と凸守だったのが、二期の1話では秘密結社の全員が立花や凸守の世界に能力者として参入していて、みんなすごく仲良くなってるなあ、としみじみと思った。今期は立花と勇太が、世間一般の男女の恋愛関係ではないような、二人固有の関係をどう結んでいくのか、あるいは通俗的な恋愛関係(一般)とその中二病的解釈(固有)の拮抗が重要な主題の一つなのかなあと思う。男と女のペアがアニメ表現において、性愛以外の仕方で結びつくことができるのか、という問いというか(これは「ユーフォ」の久美子と秀一にも問われているのかもしれない)。普通のベタベタな恋愛アニメには落ち込まないぞ、という工夫は随所に見られる。このアニメはとにかく脇役が素晴らしくて、凸守ー丹生谷回の4話は脇役たちのポテンシャルが最大限発揮されていたと思う。Aパートで凸守が自分の教室に丹生谷が来ていることを知るとすぐに(立花のことを放っておいて)ちょっかいをかけに向かうシーンがあって、2人がほんとうに仲良しというか凸守が懐いていることが改めてわかる。このアニメの中で一番良いのは、凸守と丹生谷のペアだと思う。くみん先輩も天然なフリして、部内の人間関係に関しては一番いろいろと見通している感じが小出しに描かれていて、こういう単調にならない感じがとても良い。二期の新キャラがこれからどう動いて、現在の人間関係にどう影響を与えるのかとても楽しみ。