12月12日

・『中二病でも恋がしたい!』の7〜12話の後半戦を一気に観た。後半では勇太と立花の恋愛が物語の主軸として立ち上がってくるのだけど、この作品が最後まで単調にならずに面白く観れるのは、凸守や丹生谷のような脇役の力が大きいと思った。そして、凸守と丹生谷の関係性は、「ユーフォ」の吉川と中川の関係に似ていると思った。また、立花-凸守の関係は、香織先輩-吉川の関係でもある。ずっといがみ合ってばかりの凸守-丹生谷(吉川-中川)のペアだけれど、先輩絡みの事件のあとに凸守(吉川)が号泣し、丹生谷(中川)が慰めるという同じ展開がある。この花田十輝がよく使用する展開にどうも弱くて、勇太と立花の恋愛が本格的に始まって以降、凸守が出てくるたびにほとんど半泣きで、凸守を丹生谷が慰めるシーンで号泣してしまった。物語の展開上勇太-立花(普通)のペア(久美子-麗奈)に立花(中二病)-凸守のペア(香織先輩-吉川)が勝てるわけがないと分かっていても、悲しくなってしまう。二つともどちらかのペアが片方のペアに対して、大事なものを譲らないといけない展開になっている。ただ、「中二病」は、7話で勇太と立花がお互いを意識し始めてから一直線に恋愛に向かうわけではなく、8話では立花がその恋愛感情に(凸守とともに)中二病の論理で対処しようとする場面が用意されているのとか、つねに展開が一本線にならないように工夫がされていた。それがとても良かった。そして、最終回では、これまで脇役の中では地味目な役割だったくみん先輩が重要な役割を果たしていて、それもおぉ〜と思った。立花-凸守ペアは敗北するが、立花は11話で最後の希望として、まさかのくみん先輩に中二病を継承していて、それがラストで重要な役割を果たすことになる。「中二病」のラストはこれも同じく花田十輝シリーズ構成の『シュタインズゲート』のラストと同じ展開だった。岡部と勇太は(過去あるいは未来からの)自分からのメッセージによって自らの中二病を肯定するに至り、最終的にヒロインを救うという展開。「中二病」も『シュタインズゲート』もラストはベタベタな展開なのだけど、それは主人公が中二病を肯定するという出来事があるということによって、必然的なベタ展開へと昇華されている。素晴らしかった。

 

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