12月1日

・今朝、ゴミ置き場の近くでカラスが車に轢かれそうになっていた。

・一昨日書いた注文錯覚展の感想がご本人に届いていたようだ。

https://twitter.com/kenrikodaka/status/1333304597834698754?s=20

このブログはいままで読者はほとんど自分だけで、タイトル通りひとりごとのようなものとして書いていてたので、まさか感想が本人に読まれるなんて可能性は微塵も考えていなかった。まだぼくは学生でいろんな面で未熟なのが分かっていて、むしろ恥ずかしいから読まれたくないと思っているところもあって、毎日、いまあとで読み返したら恥ずかしくなるようなことを書いてるんだろうなぁ、と思いながら書いている。それでも、宛先がないと思っていたものが実際に届いた(しかも本人に!)というのはちょっとした感動がありました。小鷹さん、読んで頂いてありがとうございました。

・授業と授業のあいだにけっこう時間があったからDVDで『魔女の宅急便』を観た。「ナウシカ」、「ラピュタ」、「トトロ」、「魔女宅」と最初から(ジブリくらい見とかないと、的な半ば義務感で)観てきて一番退屈だったかもしれない。ぼくの母親はたしか一番好きと言っていた気がする。たぶん、この退屈さは西洋の都会という場所の閉塞感から来ているのではないか(実際の場所がどうなのかは行ったことないから知らない)。たとえば「ラピュタ」だったら、パズーたちが炭鉱の町を空から地下へ縦横無尽に駆け回って、町に走っている電車も重力を無視するように伸びたり縮んだりする、みたいな運動が展開される最初の30分くらいはとてもおもしろかったし、「トトロ」でも木々が風によってあり得ないくらい揺れたり、ネコバスがすごいスピードで森のなかを駆け巡ったり、みたいなのがおもしろかった。「魔女宅」もたしかにキキは飛び回るのだけど、都市という舞台はそうした縦横無尽な運動をどうしてもせき止める方向に機能してしまう(最初に警察に捕まってしまったように)。その場面設定がもたらす閉塞感が物語の展開にも作用して、ある種の停滞感みたいなのが生まれてしまっているのではないかと思った。

この全体的に停滞している映画で唯一動きをもたらす存在が言葉を話す黒猫のジジなのだと思う。最初、ジジはキキにベッタリくっついて移動しているが、だんだんと行く先々でジジはキキとは違った運動を展開し、キキの知らないところでそこにいる人や動物と勝手に関係を結んだりするようになる(パン屋のおじさんや白猫のリリ、カラスや犬など)。キキがやっている仕事を、近くにいながら基本的には手伝わずに、余計な一言を言ったりするだけなのも面白い。言葉を話すことでキキにとって近しい存在だったジジは、途中でぬいぐるみに擬態し、終盤ではただの猫になってしまう(人間にとって猫は最も遠い存在の一つではないか)。そして、ジジと白猫のリリがカップルという固着した関係を結んでしまって、ほとんど映画に登場しなくなってしまって以降、一気に退屈さが増してしまったように感じた(ジジにとってはそちらの方が望ましいのだろうけど)。映画のなかで、キキが住んでいる閉塞的な世界とは別の通路を開いてくれていたはずのジジが途中から普通の黒猫になってしまい、そして最後の、飛行船の事故が起こったあたりからは本当に興味が失せてしまった。ラピュタとかもそうだったけど、大きな危機があってそれをなんとか解決して、みたいな段階の最後の20分くらいはどうしても面白くない。

・夜に、『中二病でも恋がしたい!』の3.4話をDVDで観た。中二病という問題をこういう風に作品として見せられると、やはり自分にとっても(おそらく誰にとっても)抜き差しならないものだなあ、と思う。3話で立花が演劇を観て興奮しているシーンとか、おーっとなってしまう。『境界の彼方』もこの前観たばかりで、両方の作品ともすごい戦闘シーンが描かれるのだけど、あの作品では戦闘が生き死にに関わっている(現実)のに対し、「中二病」ではあくまでも遊戯として行われる(虚構)。目まぐるしく展開される戦闘シーンは一応、立花と凸守の頭のなかの妄想ということに作品のなかでもなっているけど、アニメの表現として彼女らの脳内の虚構が現実に染み出しているように描かれる。この強固な現実に対抗し得るものがあるとすれば、こういうどこかズレてしまった(ズレざるを得ない)ような人たちの脳内から世界へと染み出してしまった何かなんだと思う(それは一歩間違えれば危険な方向に行く危ういものでもある)。うまく言えてるかわからないけど。あと普通に劇中に流れている音楽が良かった。

 

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