7月14日

・DVDを借りてきた。『劇場版 響け!ユーフォニアム』、『きょうのできごと』(行定勲)、『晩春』(小津安二郎)、『イタリア旅行』(ロベルト・ロッセリーニ)。

・『響け!ユーフォニアム』の第一期を全話見おわった。京アニの作品を見るのは中学生の時に見た『中二病でも恋がしたい!』以来だった気がする。一番好きなのは11話だった。数話前から3年生の中世古VS1年生の高坂という対立軸が数話前から立てられて、その話がこの回で決着する。見ている側としては高坂さんが最終的にソロを勝ち取ることは最初から分かりきっているのだけど、物語が定型的であることとその作品がおもしろいことは矛盾しない。たぶん、細部の組み立てと展開のさせ方がとても上手かったのだと思う。このアニメでは主人公の久美子がほとんど目立たなくて主体性を発揮することがなく、まわりで起こるゴタゴタにただ巻き込まれるだけだった(彼女が主人公なのは実質12話だけだった)。しかし、この回では久美子の周りの環境に働きかけずあまりコミットしないという能動性のなさが反転して強力な力として作用している。部全体の空気が3年の中世古にソロを吹かせるべきだという風になっており、気が強く描かれている高坂さん本人でさえ躊躇っている場面で、久美子だからこそ周りの空気を一切考慮することなく高坂さんの背中を押すことができたのだろう(部内で久美子の他に唯一それをすることができた部員に田中あすかがいる。彼女には久美子に対して同類と感じているような描写がある。しかし、田中さんにはそれをする必然性がなかった。久美子が空気を読まずに高坂さんの背中を押したのは8話の最後で二人が特別な関係を結んでいたからだ)。定型的な物語でもクライマックスまでの展開に強い必然性があり、その中で描かれる部員たちそれぞれの葛藤の描かれ方もとてもよかった。久美子が高坂さんに強い想いを寄せているのと同様に、3年生の中世古にどうしてもソロを吹かせたがっていた吉川というキャラがいるのだけど、高坂さんにソロが決定した瞬間に中世古と吉川の過去のシーンがカットインしてきて吉川が号泣するところで、ここまでの展開は数話前からあらかじめ分かりきっていたのにもかかわらず泣いてしまった。キャラの作り込みや細部の丁寧な描写、その見せ方で物語の陳腐さを悠々と超えていってしまう力強さにビックリした。

・きょう見た、絵に描いたような空

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