9月8日

 22歳になった。何人かに祝われる。雨模様だった。るいーじ(マリーゴールド)が枯れかけている。よく見たらまた一つ蕾が出ている。こいつはよっしーにする。昼過ぎまで何かをしてバイトに行った。生徒の1人にゼリーをもらった。友だちが猫の頭が取手になった不思議なマグカップをくれた。可愛かった。

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9月7日

 結局ほとんど観ることができなかったDVDを返しに川沿いを歩く。病み上がりでまだ頭がクラクラして足取りも少し変。何日かぶりにしっかり歩いて、もう、いま絶対秋だ、と思った。これまで秋と名付けられてきた空気感がそこらじゅうで充満している。夕方は青い。京都はこの期間がいつも異様に短い気がするから、こんな気候もあっという間に終わってしまいそうでいまから不安だった。河原で合計8人くらいの男女が花火をしていた。後ろからすごい爆音で音楽を周囲に響かせながら車が走ってくる。キリンジの「エイリアンズ」だった。コンビニでポカリとプリンを買って帰った。晩御飯はお茶漬けだけ食べた。

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9月5日

 ワクチン接種2回目。意外と副反応こないので、『ハウルの動く城』を観る。これから体調が悪くなるっていう状態がはじめてで面白かった。寝る直前くらいから体が熱ってきて、頭がクラクラした。最初の方はすこし気持ちいいくらいだった。腰痛がひどくて全然眠れなかった。夢のなかとベッドの上を何度も行き来していた。夢のなかの知覚は、身体を基点にした現実的な知覚に先行していることに気づく。夢の中で誰かに指を触られると、指を触られた感覚だけが先にやってきて、遅れて自分が自分の指を触っていることに気づく。夢を見ているときは身体がバラバラに分断され、感覚の集合体になってるんだなあ、と思った

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9月4日

 昼からバイト、とはいえかなり暇で本を読んだりしていた。外はそれなりに雨が降っている。最近撮った写真を見ながら考えていたのは、フレーム内に目の前の空間を押し込めることで、普段は連続的な空間が一旦バラバラに切り離され、その上でもう一度繋ぎ止められる、という2種類の運動があるということ。分離させ、仮留めする、という相反する働きが共存する、ツギハギの空間への再構成。塾のバイトをあがってからすぐ家庭教師のバイトへ。終わった後、夜遅くの高槻にいるのははじめてだった。あちこちに樹立するタワーマンションは主に寒色系と暖色系のライトに分かれてチカチカと部屋を光らせている、と同時に書き割りの世界みたいだった。コンクリートロード、コンクリートパラダイス。帰って、エリンギを焼いてバター醤油をつけて食べたら美味しかった。

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9月3日

 夏休み中にある程度卒論の構想進むかなあって楽観していたけどもう半分過ぎている。全然本が読めていなくて少しやばい。生活や写真や日記や労働や来年以降のこととうまく折り合いつけながらなんとかそっちもやっていかないといけない。それとは関係なく今日はなかなか寝付けなかった。その間に一度大きな雨が降って止んだ。ベランダでマリーゴールドが2輪咲いている。先に咲いたでかい方をまりお、もう片方をるいーじと名付けた。花言葉を調べたら、嫉妬、絶望、悲観、とでて笑った。

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9月2日

 9月になってから雨が降っている。涼しくて、一気に夏の気配が消え去ったかのよう。大学に入ると、東でミンミンゼミが、西側でツクツクボウシが鳴いている。ミンミンゼミの方はすごくゆっくりと、とても力ない声に聞こえる。ミーーーーーーーン、ミン、ミン、ミーーーーーーーン、やっぱり夏は終わるのかもしれないと思った。バイトは比較的まじめにこなした。前回サボった分は取り返したと思う。

 夜から友だちが来て、『たまこラブストーリー』と『リズと青い鳥』を続けて見た。両方とも山田尚子監督。二つの作品に共通するのは、2人の恋愛関係を軸にしたストーリーであるということもそうだけど、物語の途中で主役が交代する点。前半は相手(もち蔵、みぞれ)から好意を向けられるだけの対象としてあり、自らの欲望を示すことがないために無垢でいられた存在(たまこ、のぞみ)が、後半以降、何らかのきっかけではじめて自分のことが問われる、つまり主体、主役となり自らの欲望と向き合うことが要求される。そして、そのことが高校3年生という時期の、将来への不安のような感情と混ざり合う仕方で描かれる。ただ、『たまこラブストーリー』の方は、ハッピーエンドという感じだけど、『リズと青い鳥』はなかなかに残酷な話だった。みぞれが自分の才能を開花させて、オーボエを吹き、のぞみがそれに圧倒されてフルートを置いてしまうシーンでボロボロ泣いてしまう。

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